憲法 人身の自由(7日目)

行政書士試験の憲法人身の自由についてやります。

人身の自由

法定手続保障】憲法31条では、「何人も、法律の定める手続きによらなければ、その生命もしくは自由を奪われ、またはその他の刑罰を科せられない。」と規定されている。条文上は「手続き」についての法定だけですが、判例の解釈は手続きの法定だけでなく、その内容が適正であること、実体の法定・適正についても要請しています。

第三者所有物没収事件(最大判昭37.11.28)

事案の概要:貨物の密輸を企てた被告人が有罪判決を受けた際に、没収刑の対象となった物には第三者の所有物も含まれていたため、所有者たる第三者にも事前に財産権を擁護する機会を与えずに没収することは憲法に違反するとして争われた事件。

争点:告知、弁解、防御の機会を与えずに行われる第三者所有物没収は、憲法31条に違反しないのか。

結論:憲法31条に違反する。

判旨のポイント:第三者の所有物を没収する場合、その没収に関して当該所有者に対し、何ら告知、弁解、防御の機会を与えることなく、その所有権を奪うことは、著しく不合理であって、憲法の容認しないところである。

人身の自由の判例

(憲法31条)何人も、法律の定める手続きによらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。

判例:行政手続きは、刑事手続ではないとの理由のみで、行政手続きのすべてが当然に31条の保障の枠外にあると判断すべきではないが、行政手続きは多種多様であって、常に告知、弁解、防御の機会を与えることは必要ない(成田新法事件:最大判平4.7.1)。


(憲法34条)何人も、理由を直ちに告げられ、且つ、直ちに弁護人に依頼する権利を与えられなければ、抑留又は拘禁されない。又、何人も正当な理由がなければ、拘禁されず、要求があれば、その理由は、直ちに本人及びその弁護人の出席する公開の法廷で示さなければならない。

判例:弁護人に依頼する権利は、単に被害者が弁護人を選任することを官憲が防止してはならないというにとどまるものではなく、被疑者に対し、弁護人を選任した上で、弁護人に相談し、その助言を受けるなど弁護人から援助を受ける機会を持つことを実質的に保障しているものといえる。(最大判平11.3.24)。


(憲法35条1項)何人も、その住居、書類及び所持品について、侵入、探索及び押収を受けることのない権利は、第33条(逮捕)の場合を除いては、正当な理由に基づいて発せられ、且つ捜索する場所及び押収する物を明示する令状がなければ、侵されない。

判例①:手続きが刑事責任追及を目的とするものでないとの理由のみで、その手続きにおける一切の強制が、35条による保障の枠外にいあることにはならない(川崎民商事件:最大判昭47.11.22)。

判例②:「住居、書類及び所持品」に準ずる私的領域に侵入されることのない権利も含まれる(最大判平29.3.15)


(憲法37条1項)すべて刑事事件においては、被告人は、公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利を有する。

判例:審理の著しい遅延の結果、迅速な裁判を受ける被告人の権利が害されたと認められる異常な事態が生じた場合にはその審理を打ち切るという非常救済手段がとられるべきことを認めた趣旨の規定といえる(高田事件:最大判昭47.12.20)。


(憲法38条1項)何人も、自己に不利益な供述を強要されない。

判例:純然たる刑事手続以外においても、実質上、刑事責任追及のための資料の取得収集に直接結びつく作用を一般的に有する手続きには等しく及ぶ(川崎民商事件:最大判昭47.11.22)。


(憲法39条)何人も、実行のときに適法であった行為又は既に無罪とされた行為については、刑事上の責任を問われない。又、同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問われない。

判例:法人税法上の追徴税は、租税の形式により賦課されるものであり、詐欺その他不正の行為により法人税を免れた場合に科せられる刑罰とは、その性質を異にするものといえ、追徴税と刑罰を併科することは、二重処罰の禁止にはあたらない(最大判昭33.4.30)。

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