行政書士の独学試験勉強。民法の不法行為についてやります。
不法行為
故意または過失によって他人の権利または法律上保護される利益を侵害した者は、これによって生じた損害を賠償する責任を負う(709条)。
【要件】
①被害者に損害が発生していること
②加害者が加害行為をしたこと
③損害と加害行為に相当因果関係があること
④加害者に故意、過失があること
⑤加害行為が違法なものであること
⑥加害者に責任能力があること
【効果】 損害賠償請求権の発生
過失相殺:被害者に過失があったときは、裁判所はこれを考慮して、損害賠償額を定めることができる(722条2項)。
被害者の素因=疾患は過失相殺の対象となる。身体的特徴は過失相殺の対象とならない。
被害者側の過失=妻の損害の賠償につき夫の過失は過失相殺の対象となる。園児の損害の賠償につき保育士の過失は過失相殺の対象とならない。
被害者の能力=被害者に責任能力があることは不要。被害者に事理弁識能力があることは必要。
履行遅滞:催告を待たず、損害発生と同時に遅滞に陥る(最判昭37.9.4)。
消滅時効:不法行為による損害賠償請求権の消滅時効(724条、724条の2)=被害者またはその法定代理人が損害および加害者を知った時から3年間行使しないとき(人の生命または身体を害する不法行為による損害賠償請求権の場合は5年) 不法行為の時から20年間行使しないとき
近親者固有の慰謝料請求:他人の生命を侵害した者は、被害者の父母、配偶者、子に対しては、その財産権が侵害されなかった場合においても、損害の賠償をしなければならない(711条)。傷害の場合でも、生命侵害に比肩すべき苦痛を伴うものも可。兄弟姉妹など、父母、配偶者、子以外でもそれに準ずるものも可。
違法性阻却事由
正当防衛:他人の不法行為に対し、自己または第三者の権利または法律上保護された利益を防衛するため、やむを得ず加害行為をした者は、損害賠償の責任を負わない。ただし、被害者から不法行為をした者に対する損害賠償の請求を妨げない(720条1項)。
緊急避難:他人の物から生じた急迫の危難を避けるためその物を損傷した場合も、損害賠償の責任を負わない(720条2項)。
その他
胎児:胎児は、損害賠償の請求権については、すでに生まれたものとみなす(721条)。
名誉毀損:他人の名誉を毀損した者に対しては、裁判所は、被害者の請求により、損害賠償に代えて、または損害賠償とともに、名誉を回復するのに適当な処分を命ずることができる(723条)。
失火責任法の適用:失火の場合において、重過失があったときの不法行為責任はあり。失火の場合において、軽過失しかなかったときの不法行為責任はなし。 ※失火責任法の規定:民法第709条の規定は失火の場合にはこれを適用しない。ただし、失火者に重大な過失があるときはこの限りでない。
