行政書士試験の独学勉強。民法の無権代理やります。
無権代理の概要
代理人Bが勝手に「A代理人B」として相手方Cに代理行為をした場合、本人Aに効果は帰属するのか?
A(本人)のできること:「効果帰属させたくない」→追認拒絶 「効果帰属させたい」→追認
C(相手方)のできること:「催告」(114条) ※期間内に返答がないときは追認拒絶みなし
善意のC「取消し」(115条) ※Aが追認した後は不可
善意無過失のC「無権代理人の責任追及」(117条)→履行または損害賠償の請求 ※Bが制限行為能力者の場合は不可
本人・相手方の採れる手段
本人の採れる手段:追認または追認拒絶(113条1項)
【相手方の採れる手段】
追認の催告(114条)
・本人に対し、相当の期間を定めて、その期間内に追認するかどうかを確答すべき旨の催告ができる
・本人がその期間内に確答しないときの効果=追認拒絶みなし
取消し(115条)
・本人が追認した後の取消し=できない
・相手方が悪意のときの取消し=できない
無権代理人の責任追及(117条)
・要件 ①代理権があることを証明できない ②本人の追認がない ③無権代理人が制限行為能力者ではない ④相手方が善意無過失である ※無権代理人が自己に代理権がないことを知っていたときは、無過失でなくても可
・効果 無権代理人に対し、履行または損害賠償の請求ができる
無権代理と相続
・無権代理人が本人を単独相続した場合、無権代理行為は当然に有効となるか=なる(最判昭40.6.18)
・本人が追認拒絶後、無権代理人が本人を単独相続した場合、無権代理人が本人の追認拒絶の効果を主張できるか=できる(最判平10.7.17)
・無権代理人が本人を他の相続人とともに共同相続した場合、無権代理行為は当然に有効となるか=ならない(最判平5.1.21) ※追認は共同相続人全員で行う必要があるため、他の共同相続人次第で有効かどうかが変わる
・本人が無権代理人を単独相続した場合、本人が追認拒絶を主張できるか=できる(最判昭37.4.20)
・無権代理人Xが死亡して本人Aと他の1名Bが共同相続した後、Aも死亡し、BがAを単独相続した場合、Bが追認拒絶を主張できるか=できない(最判昭63.3.1)
表見代理成立の要件
| 代理権授与表示(109条1項) | 権限外の行為(110条) | 代理権消滅後(112条1項) | |
| 外観の存在 | 無権代理行為 | 無権代理行為 | 無権代理行為 |
| 本人の帰責性 | 代理権授与表示 | 基本代理権の付与 | かつての代理権の存在 |
| 相手方の信頼 | 善意無過失 | 善意無過失 | 善意無過失 |
表見代理の成否
【代理権授与表示の有無(109条1項)】
・請負人が下請負人に対して、請負人の名義を使って工事をすることを許容した場合=あり
・請負人と下請負人との間で、下請負契約があっただけの場合=なし
・代理権限を与えられていない者が、本人の代理人である旨を記載した白紙委任状を偽造して提示し、代理人と称した場合=なし
【基本代理権の付与の有無(110条)】
・勧誘員が勧誘行為を別の者にあたらせている場合=なし
・単に公法上の行為を代理させているだけの場合=なし
・登記申請の委任が本人の私法上の契約による義務の履行のためになされる場合=あり
109条2項、112条2項
無権代理人と取引してしまった場合に表見代理として本人に責任追及できるパターンは3パターンです。「代理権を与えてますよ」と表示したけど代理権を持っていない場合(民法109条)代理権を与えたけど代理権の範囲外の行為(民法110条)、代理権が消滅したのに代理権を使った行為(民法112条)の3つです。
複合的に表見代理が成立する要件として、109条2項では代理権授与の表示+権限外の行為について定めており、112条2項でも代理権消滅後+権限外の行為について定めがあります。どちらも成立要件に善意無過失に加えて、信じるにつき正当な理由があることが必要となります。
