
「過料」は行政書士試験で頻出ですが、
👉執行罰
👉秩序罰
👉行政刑罰
この違いで毎回混乱していませんか?
私自身もここで何度も間違えました。
この記事では、試験でそのまま使える形で
👉一発で理解できる
👉ひっかけに対応できる
ように整理します。
■過料とは
執行罰の過料と秩序罰の過料があり、それぞれ特徴があります。
①執行罰と秩序罰
■執行罰(しっこうばつ)
・目的:義務を履行させること(将来に向けた強制)
・性質:間接強制(心理的圧迫)
・代表例:不作為義務違反に対する過料を繰り返し科す ※レンタルの延滞料をイメージ
【ポイント】は、「従わせるための圧力」であり、まだ義務は履行されていない点
現在は砂防法でしか適用されていない。
■秩序罰(ちつじょばつ)
・目的:違反行為への制裁(過去への評価)
・性質:制裁
・代表例:届出義務違反に対する過料
【ポイント】は、「違反したからペナルティ」であり、すでに違反済みである点
| 観点 | 執行罰 | 秩序罰 |
| 目的 | 義務履行の確保 | 違反への制裁 |
| 時点 | 将来志向 | 過去志向 |
| 性質 | 間接強制(心理的圧迫) | 制裁 |

②法律に定められたものと条令または規則に定められたもの
■法律に定められた過料
・国会制定の法律が根拠
・全国一律に適用
・行政機関が科す ※各種業法
【ポイント】は、国レベルのルール違反に対するもの。非訟事件手続法が定める手続きに従って、裁判所が科す。具体的には、行政機関等が裁判所に対して「過料を科してください」と通知し、裁判所が「決定」の形式で科す。支払われた金員は国庫に帰属する。
■条例または規則に定められた過料
・地方公共団体の条例または規則が根拠
・地域限定で適用
・主に地方自治体が科す
【ポイント】は、地域ルール違反に対するもの。この「過料」は、地方公共団体の長が、「過料処分」という形式で科す。当該「過料処分」について不服がある者は、審査請求をしたり、取消しの訴えを提起したりして、争うことができる。「過料処分」に従って支払われた金員については、当該地方公共団体の歳入となる。
| 観点 | 法律 | 条令または規則 |
| 制定主体 | 国(国会) | 地方公共団体 |
| 適用範囲 | 全国 | 地域限定 |
| 具体例 | 業法違反など | ポイ捨て禁止など |
行政刑罰と秩序罰(過料)
■行政刑罰
・刑罰(刑法体系)
・例:懲役、罰金
・刑事手続(裁判)が必要
・前科がつく
【ポイント】は、「犯罪」として扱われること
■秩序罰(過料)
・刑罰ではない(非刑罰)
・金銭的制裁(過料)
・行政手続きで科される(裁判不要の場合あり)※非訟事件
・前科はつかない
【ポイント】は、「行政上のペナルティ」にすぎないこと
| 観点 | 行政刑罰 | 秩序罰(過料) |
| 法的性質 | 刑罰 | 非刑罰 |
| 手続き | 刑事裁判 | 行政手続 |
| 前科 | つく | つかない |
| 例 | 罰金、懲役 | 過料 |
過去問の観点
【執行罰と秩序罰】
内容:執行罰の性質、手続き
・執行罰は過料である→正しい
・執行罰は繰り返し科すことができる→正しい
ポイントは、「執行罰は不履行が続く限り繰り返し科せる」こと、「罰金ではなく過料」であること
【条例と罰則】
内容:執行罰と秩序罰の区別
・条例で執行罰を定められる→誤り
・秩序罰は繰り返し科せない→正しい
ポイントは、「執行罰は法律のみ」であること、「条令の過料は秩序罰のみ」であること
【記述】
・どの法律に基づくか
・誰が科すか
・何というか
模範解答
・地方自治法に基づき
・普通地方公共団体の長が
・秩序罰として科す
ポイントは、「条例の過料は地方自治法が根拠」ということ「条令+過料=秩序罰」
【行政罰の分類】
・行政罰は行政刑罰と秩序罰(=過料)に分類される
ポイントは、刑法に刑名があるものが行政刑罰で、軽微な違反は秩序罰(過料)
【過料の法的性質(判例)】
ポイントは、過料は刑罰ではないが、適正手続き(憲法31条)は及ぶ ※何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。 「非刑罰だけど法的保障は必要である」ということ
【出題パターン】
・執行罰か秩序罰かを判別させる
・条例でできるか、またはできないものを選ばせる
・行政刑罰との区別
・「過料=非刑罰」を前提に判例問題
・過料=基本は秩序罰である
・執行罰としての過料は例外的(砂防法のみ)
・条例でできるのは秩序罰のみ
・行政刑罰との違いは「刑罰かどうか」
暗記論点まとめ
①過料とは基本的に、秩序罰(非刑罰)としての金銭制裁
②過料と罰金の違いは、過料が行政罰で前科がつかないのに対して罰金は刑罰であり、前科がつく
③執行罰の目的は将来に向かった義務履行の確保
④秩序罰の目的は過去の違反行為への制裁
⑤執行罰は繰り返し科すことができる
⑥秩序罰は繰り返し科すことはできない
⑦条例で定められるのは秩序罰のみであり、執行罰はできない
⑧執行罰を定められるのは法律のみ
⑨行政刑罰とは刑法上の刑罰であり、懲役や罰金など
⑩過料に憲法31条は適用される。適正手続きの保障がある
【ひっかけパターン】
①過料は刑罰である→✖ 過料は非刑罰
②条例で執行罰を定めることができる→✖ 条例は秩序罰のみ
③秩序罰は繰り返し科すことができる→✖ 繰り返せるのは執行罰のみ
④過料は裁判を経なければ科せない→✖ 行政手続で科されるものもある
⑤過料は軽微なので憲法の保障は及ばない→✖ 憲法31条が適用される
⑥行政罰は全て刑罰である→✖ 行政罰は行政刑罰と秩序罰(過料)がある
⑦義務違反が続く場合、秩序罰を繰り返し科す→✖ この場合は執行罰
