地方自治法3日目行けるとこまで行きます
住民監査請求(242条)
主体:住民
対象:違法または不当な財務会計上の行為、怠る事実
・行為:①公金の支出、②財産の取得、管理、処分、③契約の締結、履行、④債務その他の義務の負担
・怠る事実:①公金の賦課徴収を怠る事実、②財産の管理を怠る事実
期間制限:行為:行為のあった日または終わった日から1年以内(正当な理由があるときはこの限りでない) 怠る事実:なし
住民監査請求と事務監査請求
【請求主体】
住民監査請求:住民 事務監査請求:有権者の50分の1以上の連署
【単独での請求】
住民監査請求:できる 事務監査請求:できない
【外国人、法人による請求】
住民監査請求:できる 事務監査請求:できない
【請求対象】
住民監査請求:違法または不当な財務会計上の行為または怠る事実 事務監査請求:事務全般
【請求先】
住民監査請求:監査委員 事務監査請求:監査委員
【期間制限】
住民監査請求:行為に関してはあり、怠る事実はなし 事務監査請求:なし
【住民訴訟】
住民監査請求:できる 事務監査請求:できない
住民訴訟(242条の2)
原告適格:住民監査請求をした者
訴訟類型: ①差止めの請求 ※当該行為を差止めることによって人の生命または身体に対する重大な危害の発生の防止その他公共の福祉を著しく阻害するおそれがあるときはすることができない。 ②取消しまたは無効確認の請求 ③怠る事実の違法確認の請求 ④地方公共団体の職員等に対する損害賠償請求または不当利得返還請求をすることを普通公共団体の執行機関または職員に対して求める訴訟
行政事件訴訟法上の分類:民衆訴訟(客観訴訟)
出訴期間:30日以内
裁判管轄:当該普通公共団体の事務所の所在地を管轄する地方裁判所の管轄に属する。
その他:・住民訴訟が継続しているときは、当該普通地方公共団体の他の住民は、別訴をもって同一の請求をすることができない。 ・住民訴訟を提起した者は、当該住民訴訟に勝訴した場合、弁護士に支払う報酬額の範囲内で相当と認められる額の支払いを当該普通地方公共団体に対して請求することができる。
判例:・適法な住民監査請求を監査委員が不適法却下しても、その請求を行った住民は、適法な住民監査請求を前置したものとして住民訴訟を提起することも、再度住民監査請求をすることも認められる(最判平10.12.18)。 ・懲戒免職事由に該当する市の職員を懲戒免職処分でなく分限免職処分にして退職手当を支給した場合、懲戒免職処分であれば退職手当の支給は発生せず、当該分限免職処分が退職手当の支給の直接の原因であるため、分限免職処分が違法であれば、退職手当の支給も違法となる(最判昭60.9.12)。 ・教育委員会が、公立学校の教頭で勧奨退職に応じた者を校長に任命して昇給させるとともに同日退職を承認する処分をし、退職手当の支給決定をすることは、財務会計法規上の義務に違反する違法なものとはいえない(最判平4.12.15)。
(最判平10.12.18)監査委員が、適法な住民監査請求を不適法として却下した場合、住民監査請求をした住民は、直ちに住民訴訟ができるだけでなく、同じ「財務会計上の行為」か「怠る事実」を対象に、再度、住民監査請求をすることもできる。
(最判昭60.9.12)収賄罪で逮捕された市職員を、懲戒免職ではなく分限免職にして、退職金を支払ったことは「違法な公金の支出」に該当しないとされた事例。収賄罪で逮捕された市職員を、逮捕から4日目に懲戒免職ではなく分限免職にして退職金を支払った場合に、その後間もなく、その職員が他に300万円のお金を収賄していたとの事実で起訴されて、有罪判決が確定したとしても、その退職金の支払いは「違法な公金の支出」に該当しない。職員に懲戒事由がある場合に、懲戒処分をするかどうか、懲戒処分をするならどんな処分を選ぶのかは、任命権者に裁量があるので、ライターとギフト券の収賄事実だけが判明していた段階で、D(市職員)を懲戒免職処分にしなかったことが違法とはいえないから。
(最判平4.12.15)教育委員会が、勧奨退職(早期退職)に応じた公立学校の教頭を、1日だけ校長に任命して昇給させて、同じ日に退職を承認する処分をした場合、その処分に予算執行の適正を確保する点から見過ごせない瑕疵が存在するとはいえないなら、知事が、昇給後の給料を基に退職金の支給決定をしたことは、財務会計法規上の義務に違反する違法なものとはいえないから、適法。被上告人(知事)は、教育委員会が行った昇格処分(教頭を校長に昇格)と退職承認処分を前提として、これらの処分に伴って必要な財務会計上の処理をする義務があるので、知事がした退職金の支出決定が、その職務上負担する財務会計法規上の義務に違反してされた違法なものということはできないから。
