行政法8日目(行政指導)

行政法8日目、今日は「行政指導」です

毎日少しずつですが、まずは一周させて全体像を把握したいと思っています

行政指導

行政指導とは、行政機関がその任務または所掌事務の範囲内において一定の行政目的を実現するため特定の者に一定の作為または不作為を求める指導勧告助言その他の行為であって処分に該当しないものをいう(行政手続法2条6号)

行政手続法による規制あり

行政指導のみでは義務は発生しない。任意の協力で実現を図ろうとするもの。

法律の根拠:不要

任意の協力:任意性の限界を超えた行政指導は違法

取消訴訟:行政指導に対する取消訴訟はできないが、行政指導に取消訴訟の対象となる処分性を認めた病院開設中止勧告の判例(最判平17.7.15)もある。

行政手続法:行政手続法における行政指導の方式の規定はある。

水道法との関係:水道法では、水道事業者が給水契約の申込みを受けたときは正当の理由がなければこれを拒んではならない旨を定めているが、申込者が行政指導に従わないことは正当の理由には該当しない。よって、行政指導に従わないことを理由として給水契約の締結を拒むことはできない

品川マンション事件(最判昭60.7.16)

事案の概要:マンション建設にあたり建築主と近隣住民との間で紛争が存することから、行政指導が出され、建築主が行政指導に従えない意思を表明していたが、建築主事は、行政指導がなされていることを理由として建築確認処分を留保した事件。

争点:建築主と付近住民との紛争につき建築主に行政指導が行われていることのみを理由として建築確認申請に対する処分を留保することは国家賠償上違法となるか?

結論:違法となる。

判旨のポイント:建築主において自己の申請に対する確認処分を留保されたままでの行政指導には応じられないとの意思を明確に表明している場合には、かかる建築主の明示の意思に反してその受忍を強いることは許されない筋合いのものであるといわなければならず、建築主が行政指導に不協力・不服従の意思を表明している場合には、当該建築主が受ける不利益と行政指導の目的とする公益上の必要性とを比較衡量して、行政指導に対する建築主の不協力が社会通念上正義の観念に反するものといえるような特段の事情が存在しない限り、行政指導が行われているとの理由だけで確認処分を留保することは、違法である。

行政指導の内容(補足):周辺住民のマンション建設反対運動に対して、「周辺住民と話し合って解決策を見つけてほしい」と行政指導を行った。建築主は住民説明を再三行ったが埒が明かなかったため出訴することとなった。

病院開設中止勧告事件(最判平17.7.15)

事案の概要:県内で病院の開設を企図するXが、知事に許可申請をしたところ、当該申請に係る病院の開設を中止するよう勧告を受けた。Xは、勧告を拒否し、速やかに申請に対する許可をするよう求める文書を送付したところ、知事は、申請について許可処分をしたが、県厚生部長名で、Xに対し、中止勧告にもかかわらず病院を開設した場合は厚生省(現厚生労働省)通知において保険医療機関の指定の拒否をすることとされている旨の文書が送付された。これに対し、Xが、当該通告部分のある文書と共にされた本件許可処分は本件勧告に従わない場合には保険医療機関の指定申請を拒否することを予告するいわば負担付の許可であると主張し、本件勧告の取消しを求めて出訴した事件。

争点:病院開設中止勧告は、抗告訴訟の対象となる処分といえるか?

結論:処分といえる。

判旨のポイント:病院開設中止勧告は行政指導として定められているが、これに従わない場合には、相当程度の確実さをもって、病院を開設しても保険医療機関の指定を受けることができなくなるという結果をもたらすものといえることができる。そのため、当該勧告は、行政事件訴訟法3条2項にいう「行政庁の処分その他公権力の行使にあたる行為」といえる。

そもそもなぜ病院の開設を中止するよう勧告したか:医療法30条の7の規定に基づき、「当該病院開設予定の地域内の必要病床数が達していること」を理由に中止の勧告を行った。

医療法は、病院を開設しようとするときは、開設地の都道府県知事の許可を受けなければならない旨を定めているところ(7条1項)、都道府県知事は、一定の要件に適合する限り、病院開設の許可を与えなければならないが(同条3項)、医療計画の達成の推進のために特に必要がある場合には、都道府県医療審議会の意見を聴いて、病院開設申請者等に対し、病院の開設、病床数の増加等に関し勧告することができる(30条の7)。そして、医療法上は、上記の勧告に従わない場合にも、そのことを理由に病院開設の不許可等の不利益処分がされることはない。と明示されている。

行政指導のありかたについてこの二つの判例は重要なものといえる

結果的に処分といえるような条件をつけてしまってはダメよということ

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