警視庁のHPに掲載されている「探偵業の業務の適正化に関する法律」というものがありますので概要を掲載します。
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/tantei/overview.html
探偵業務とは
他人の依頼を受けて、特定人の所在又は行動についての情報であって当該依頼に係るものを収集することを目的として、面接による聞込み、尾行、張込みその他これらに類する方法により実地の調査を行い、その調査の結果を当該依頼者に報告する業務をいいます。
この探偵業務を行う営業を「探偵業」と言いますが、専ら放送機関、新聞社、通信社その他の報道機関(報道(不特定かつ多数の者に対して客観的事実を事実として知らせることをいい、これに基づいて意見又は見解を述べることを含む。以下同じ。)を業として行う個人を含む。)の依頼を受けて、その報道の用に供する目的で行われるものが除かれます。
注目すべきは、いわゆる「マスコミの依頼でその報道に供する目的で行われるものは探偵業ではない」というところですね。パパラッチのようなスキャンダルを狙うカメラマンはここで言う探偵業とは言いません。
探偵業をこれから営もうとする方へ
探偵業を営もうとする者は、営業を開始しようとする日の前日までに、営業所ごとに営業所の所在地を管轄する警察署を経由して、都道府県公安委員会に届出をしなければなりません。
探偵業を営むために、特別な資格等は必要なく、欠格事由に該当しなければ誰でも探偵業を営むことができます。
しかし、届出をしたことにより、探偵業者及び探偵業務に従事する者が他の法令で禁止・制限されている行為を行うことができることになるものではなく、探偵業務であることを理由に、特別な権限が与えられるものではありません。例えば、調査対象者を見張るため、付近住民宅の敷地に許可なく入れば、住居侵入罪等が成立します。
探偵業は、欠格事由に該当しなければ特別な資格は必要ないとのことですが、届け出をしたからと言って特別な権限が与えられるものでもないことが書かれています。
欠格事由は以下の通り
- 破産手続開始の決定を受けて復権を得ない者
- 禁錮以上の刑に処せられ、又は探偵業の業務の適正化に関する法律(以下、探偵業法という。)の規定に違反して罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して5年を経過しない者
- 最近5年間に探偵業法第15条の規定による処分に違反した者
- 暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
- 心身の故障により探偵業務を適正に行うことができない者として内閣府令で定めるもの(精神機能の障害により探偵業務を適正に行うに当たって必要な認知、判断及び意思疎通を適切に行うことができない者をいいます。)
- 営業に関し成年者と同一の能力を有しない未成年者でその法定代理人が上記1から5又は下記7のいずれかに該当するもの
- 法人でその役員のうちに上記1から5までのいずれかに該当する者があるもの
この中の3.にでてくる探偵業法第15条では、公安委員会が探偵業者に対して、業務の適正な運営が著しく害されるおそれがある場合、営業所における探偵業の全部または一部の停止を命じることができると定めています。また、違反行為を行った者には、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されることがあるとされています。
この法律の目的
この法律が制定された背景には、調査の依頼者と探偵社との契約上のトラブル増加という要因があります。業務を行う上で知った情報の取り扱いや、業者に特別な権限が与えられていると誤認させるように示すなど、いかにもトラブルにつながりそうな業務だと思いますよね。管轄が公安委員会となっている業務としてはこの他にも、古物商や質屋(共に盗難品を扱う可能性あり)、警備業(直接犯罪現場に関わる可能性あり)、風俗営業などがありますので、何となく共通するものを感じられるのではないでしょうか。届け出制にすることで、業務のトラブルに関して責任の所在を明確にし、違反行為に対する一定の抑止力を持たせる意味があるのだと思います。探偵業の届け出をしているからといって、何か特別な権限を与えられているものではないことに留意しておきましょう。
