憲法 法の下の平等(3日目①)

憲法3日目スタート

憲法14条1項

すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

【法内容の平等】法適用の平等のみではなく、法内容の平等も意味する。

立法が平等な内容の法を作り、国民に対して司法権および行政権が法を平等に適用する。

【相対的平等】絶対的平等ではなく、相対的平等を意味する。合理的理由なく差別することは禁止されるが、合理的な取り扱いの区別については禁止されない。

【14条1項後段の列挙事項】14条1項後段の「人種、信条、性別、社会的身分、門地」は、限定列挙ではなく、例示列挙と考えられている。列挙事由に該当しなくても、不合理な差別的扱いは禁止される。

生後認知児童国籍確認事件(最大判平20.6.4)

事案の概要:法律上の婚姻関係にない日本国民である父とフィリピン共和国国籍を有する母との間で出生した者が、出生後に父から認知を受けたことを理由として、平成17年に国籍取得届を提出したが、国籍取得は認められなかったため、日本国籍を有することの確認を求めて訴えを提起した事件。

争点:日本国民である父と日本国民でない母との間で出生者が国籍取得届により日本国籍を取得するにあたり、父母の婚姻まで要求する国籍法旧3条1項は、憲法14条1項に違反するのではないか。

結論:国籍法旧3条1項の規定は憲法14条1項に違反する。

判旨のポイント:日本国籍の得喪に関する要件をどのように定めるかは、立法府の裁量判断に委ねられているが、裁量権を考慮してもなおそのような区別をすることの立法目的に合理的な根拠が認められない場合またはその具体的な区別と立法目的との間に合理的関連性が認められない場合には、当該区別は、合理的な理由のない差別として、憲法14条1項に違反する。日本国籍は、基本的人権の保障、公的資格の付与、公的給付等を受けるうえで意味を持つ重要な法的地位でもあり、また、父母の婚姻により嫡出子たる身分を取得するか否かということは、子にとっては自らの意思や努力によっては変えることのできない父母の身分行為に係る事柄である。このような事柄をもって日本国籍取得の要件に関して区別を生じさせるさせることに合理的な理由があるか否かについては、慎重に検討することが必要である。そして、国籍法旧3条1項の規定は、今日においては、日本国籍の取得につき合理性を欠いた過剰な要件を課すものとなっており、日本国民である父から出生後に認知されたにとどまる非嫡出子に対して、日本国籍の取得において著しく不利益な差別的扱いを生じさせているといわざるを得ず、国籍取得の要件を定めるにあたり立法府に与えられた裁量権を考慮しても、この結果について、その立法目的との間において合理的関連性があるものということはできない。

憲法14条に関する重要判例

【判例】

・尊属殺の法定刑を死刑と無期懲役のみに限っている刑法旧200条の規定は、憲法14条1項に違反する(最大判昭48.4.4)。→現在は法改正により削除

・夫婦関係にない父(日本人)と母(外国人)との間に生まれた子が、父から認知され、国籍取得届により国籍を取得する要件として、父母の婚姻を要件とする国籍法旧3条1項の規定は、憲法14条1項に違反する(最大判平20.6.4)。→現在は法改正により父母の婚姻を要件とする部分は削除

・非嫡出子の相続分を嫡出子の2分の1とする民法旧900条4号ただし書の規定は、憲法14条1項に違反する(最大決平25.9.4)。→現在は法改正により嫡出子と非嫡出子は均等の相続分

・女性にだけ6か月の再婚禁止期間を定めている民法旧733条の規定の100日を超えた部分は、憲法14条1項に違反する(最大判平27.12.16)→法改正により再婚禁止期間は100日となり、さらに現在は法改正(令和6年4月1日施行)により女子の再婚禁止期間自体を削除

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