行政法17日目③行政事件訴訟法の無効等確認訴訟、不作為の違法確認訴訟

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行政事件訴訟法(無効等確認訴訟、不作為の違法確認訴訟)

無効確認訴訟

無効だとは気づいていない行政庁AがXに対し①課税処分をした。この課税処分は重大かつ明白な瑕疵があった。②Xはこれにより義務は発生せず、義務を取り除く必要もない。③裁判所に無効を確認するために無効判決を貰うことによりその後の処分に対して予防の意味がある。④行政庁Aが①の処分に後続の処分(滞納処分)をすることはできない。

無効確認訴訟と民事訴訟

A県の収用委員会がXに土地の収容処分をしたが、これには重大かつ明白な瑕疵があった。この場合、無効確認訴訟はできず、民事訴訟の所有権確認の訴えを行うことになる。土地を実際に収容するのは企業者のBであるから。Xは裁判所にBを被告として所有権確認の訴えを提起することとなる。※民事訴訟を提起し処分の有効、無効を争点とすればよく、現在の法律関係に関する訴訟で解決できるから。

無効等確認訴訟

原告適格:当該処分または裁決に続く処分により損害を受けるおそれのある者その他当該処分または裁決の無効等の確認を求めるにつき法律上の利益を有する者で、当該処分もしくは裁決の存否またはその効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えによって目的を達成することができないものに限り提起することができる(36条)。

準用条文:・被告適格(11条の準用)あり (11条) 処分又は裁決をした行政庁(処分又は裁決があつた後に当該行政庁の権限が他の行政庁に承継されたときは、当該他の行政庁。以下同じ。)が国又は公共団体に所属する場合には、取消訴訟は、次の各号に掲げる訴えの区分に応じてそれぞれ当該各号に定める者を被告として提起しなければならない。

裁判管轄(12条の準用)あり (12条)取消訴訟は、被告の普通裁判籍の所在地を管轄する裁判所又は処分若しくは裁決をした行政庁の所在地を管轄する裁判所の管轄に属する。

出訴期間(14条の準用)なし 

審査請求前置主義(8条1項ただし書きの準用)なし

事情判決(31条の準用)なし

判決の拘束力(33条の準用)あり (33条)処分又は裁決を取り消す判決は、その事件について、処分又は裁決をした行政庁その他の関係行政庁を拘束する。

執行停止制度(25条~29条、32条2項の準用)あり (25条)処分の取消しの訴えの提起は、処分の効力、処分の執行又は手続の続行を妨げない。 (26条)執行停止の決定が確定した後に、その理由が消滅し、その他事情が変更したときは、裁判所は、相手方の申立てにより、決定をもつて、執行停止の決定を取り消すことができる。 (27条)第25条第2項の申立てがあつた場合には、内閣総理大臣は、裁判所に対し、異議を述べることができる。執行停止の決定があつた後においても、同様とする。 (25条2項)処分の取消しの訴えの提起があつた場合において、処分、処分の執行又は手続の続行により生ずる重大な損害を避けるため緊急の必要があるときは、裁判所は、申立てにより、決定をもつて、処分の効力、処分の執行又は手続の続行の全部又は一部の停止(以下「執行停止」という。)をすることができる。ただし、処分の効力の停止は処分の執行又は手続の続行の停止によつて目的を達することができる場合には、することができない。 (28条)執行停止又はその決定の取消しの申立ての管轄裁判所は、本案の係属する裁判所とする。 (29条)前四条の規定は、裁決の取消しの訴えの提起があつた場合における執行停止に関する事項について準用する。 (32条)処分又は裁決を取り消す判決は、第三者に対しても効力を有する。 前項の規定は、執行停止の決定又はこれを取り消す決定に準用する。

争点訴訟

私法上の法律関係に関する訴訟において、処分、裁決の存否またはその効力の有無が先決問題として争われている訴訟のこと。訴訟手続き自体は民事訴訟であるが、その争点が行政行為の有効、無効であるため、行政事件訴訟に準じた取り扱いが要請される(45条1項)。例えば、収用委員会が土地収用裁決を行い、これに基づき土地が売り渡された場合、当該収用裁決に重大かつ明白な違法があったとき、売主が、当該収用裁決が無効であり、土地の返還を主張する場合がこれにあたる。訴訟自体は民事訴訟であるが、収用裁決が無効であるか否かが争点とされる

準用条文行政庁の訴訟参加(23条1項、2項の準用)あり  ・釈明処分の特則(23条の2の準用)あり  ・職権証拠調べ(24条の準用)あり  ・訴訟費用の裁判(35条の準用)あり(35条)国又は公共団体に所属する行政庁が当事者又は参加人である訴訟における確定した訴訟費用の裁判は、当該行政庁が所属する国又は公共団体に対し、又はそれらの者のために、効力を有する。  ・出訴の通知(39条の準用)あり(39条)当事者間の法律関係を確認し又は形成する処分又は裁決に関する訴訟で、法令の規定によりその法律関係の当事者の一方を被告とするものが提起されたときは、裁判所は、当該処分又は裁決をした行政庁にその旨を通知するものとする。

不作為の違法確認訴訟

原告適格処分または裁決についての申請をしたものに限り、提起することができる(37条)。

準用条文:・被告適格(11条の準用)あり  ・裁判管轄(12条の準用)あり  ・出訴期間(14条の準用)なし  ・判決の拘束力(33条の準用)あり  ・執行停止制度(25~29条、32条2項の準用)なし

その他: ・訴訟係属中に行政庁が何らかの処分を行った場合、訴えの利益は消滅する。  ・標準処理期間(行政手続法6条)を経過したとしても、それにより直ちに不作為が違法と評価されるわけではない。  ・許可申請の不作為の違法確認の訴えのみ提起した場合、請求が認容されたとしても、行政庁に許可処分を義務付ける効力まではない

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